冬に降る涙の雨。


しばらくすると、
「……マコは人の寝顔を見つめるのが趣味なワケ?」

パチリと目を開けたカナちゃん。

まただよ。
ドキッとするなぁ……

「そ、そういうカナちゃんこそ、寝たふりばっかりして…!!」

“ズルい”
そう続けようとした私をカナちゃんが制した。

「寝たふりなんか、してないし。起きたらいつもマコが俺を見てんだもん」

カナちゃんはイタズラっぽく笑う。


なんか、なんとも言えない。
って言うか、口答え出来ない。

ま、負けた……


「んじゃ、俺風呂入って来るわ」
「…ん。」

前を向いたままヒラヒラと手を振るカナちゃん。


パタン。


そのまま扉が閉まる。

さて、髪を乾かしたら寝ようかな。
って、またドライヤーの場所聞くの忘れてた………


はぁ。
と、落ち込んでいると足元に何かを見つけた。



「…ドライヤー…」
カナちゃん、置いててくれたんだ。

そんなカナちゃんの優しさに嬉しくなりながらも髪を乾かした。