カナちゃんがいなくなった途端、静まり返った室内。


そこで気づいた。
……久しぶりの“独り”だ。


ドクン、ドクン、ドクン…


あ、あれ…………?


ドクン、ドクン、ドクン…


なん、で……?




胸が、締め付けられるような、感じ。

苦しくて、冷たい。
頭の先から血がどんどんなくなっていくような感覚に襲われる。



どうして…………?






“独り”には、慣れてたはずなのに………









「…………っ」


気づけば目からは暖かい雫が零れ落ちていた。


「……う……っ」


泣き止め、自分。

何を、こんなことで負けてるの……!!


今まで、大丈夫だったじゃん。

耐えて来たじゃん………!!



何で……?


たった3日間、カナちゃんと過ごしただけじゃない……。


ただ、それだけなのに。

それだけなのに、私はこんなにも変わってしまった。


カナちゃんなしじゃ、ダメみたいに。



どうしたらいい?

こんな、ダメになっちゃった私は。

あと3日で、カナちゃんとは一緒にいられなくなっちゃうんだよ?


こんなんじゃ、私、ダメだ……



どうにかして、慣れなきゃ……






パチン。


私は一度、自分の両頬を叩いた。

「よしっ」


大丈夫。大丈夫、大丈夫。

私なら、大丈夫。


私に出来ること。

それは、これ以上カナちゃんを好きにならないようにすること。


心に強く決め、私は前を向いた。



自分を、信じる。





作品を評価しよう!

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作品のキーワード

この作家の他の作品

-キミの声が聞きたくて-
朔梛/著

総文字数/49,812

恋愛(ピュア)203ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア