大事なカメラを持って
玄関に来てる心咲ちゃんのとこ
まで駆け足で急ぐ。
「ちょっとー、毎朝心咲ちゃん
のこと待たせてー!今日から
高校生なんだからねっ!」と
お母さんに言われた。
「分かってるよー!お母さん、
いってきます!」と私は家を
出た。
玄関には心咲ちゃんがいた。
「遅いー!おはよう、ふう」
と心咲ちゃんが言う。
心咲ちゃんは中学校の頃からの
親友。私がこの街に越して来た
ときから一緒にいるの。
引っ込み思案で人見知りな
私は引っ越して来たときに
友達が出来ずに一人でいた。
そんなときに最初に話しかけて
くれたのが心咲ちゃんだった。
「風って書いてふうって読む
なんて珍しい名前だね。」
私はなんて言ったらわかんなく
てあたふたしてたら
心咲ちゃんが笑ってくれた。
私はそれが嬉しくて、つられて
笑っちゃったよ。