五十嵐さんは四つあるカウンター席の左端、ちょうど私の反対側に座った。


「コーヒーでいいですよね。」

「ええ。」


叔父さんはやっと自慢のコーヒーを出せて嬉しそうだ。

コーヒーを注いだカップを五十嵐さんに差し出す叔父さん。
香りをかいで、五十嵐さんはうっとりとした。


「五十嵐さん、この子、私の姪なんですよ。」


叔父さんが示した方に視線を移した五十嵐さんと、目が合った。