学生時代から付き合っていた私達は、よく二人でこの喫茶店に訪れていた。

いつ来ても私はカフェオレを薦めるので、コーヒー派だった遥斗も次第にカフェオレ派になった。


時々、遥斗はチーズケーキも頼んでくれた。
それは記念日だったり、何もない日だったりしたけれど。

私は子供みたいに喜んで、それを見た遥斗は嬉しそうに笑うのだった。


大学の二つ先輩だった遥斗。彼の淡泊な性格が、なんだかクールに見えて、すごく格好良かった。

そんな遥斗に憧れる所から始まって、熱烈なアプローチ。私からの告白で、めでたく彼女になれた。


あんなに一生懸命で、素直な時期も確かにあったのだ。


胸の奥が、じわりと痛かった。