あの瞬間、遥斗に抱きしめられる瞬間の私は、いつも満たされていた。 「幸せだ!」と胸を張って言えただろう。 気の強い私が重荷になってしまっているのか、 淡泊すぎる遥斗の性質に問題があるのか。 どちらも正しくもあり、間違ってもいるだろう。 『愛』を表現しないままでは、調和が図れないこともある。 きっとそういうことなのだ。