「愛してるだなんて、口にはしねぇけどな。」と叔父さんは付け足した。

それでも叔父さんの声には愛情が込められていた。


例えば遥斗が誰かに同じように聞かれた時、遥斗は何と答えるだろう?

叔父さんのように、まあな、と照れたように答えるだろうか。


チーズケーキはもう3分の2ほど姿を消していた。
私の口内は水分を欲していたが、私は気付かないフリをした。


挽きたてのコーヒー豆で新しくコーヒーをいれながら、叔父さんは問いかけた。


「お前だって、愛してるから結婚したんだろ?」


そのさりげない言葉に等しいくらいのさりげなさで、


「…まあね。」と
私は答えた。