「逃げちゃったー…。」
「お前は、花歩のことどー思ってんの?」

俺は、龍に尋ねる。
「好き」なんていうな。

「顔、怒ってる。」
俺は顔を隠した。
バレてら。

「……好きなのに何で青山と付き合ってんだよ。」
それは言えない。
なんて言い訳だけど…。

「それは………。」
いえねえ。

「俺は花歩が好きだ。」
龍は俺の肩を掴む。
手が震えてるし、つかむ手が痛い。

「お前のせいで、花歩泣いてんだぞ…!」
花歩が…?

俺のせいで…?


「お前にはもったいねーよ…。
花歩はぜってーわたさねえ。」


俺にはもったいない。
それはぴったりな言葉だ。

昔から可愛くて、


昔から生意気で、

 
昔から明るくて、


昔から優しくて…。



俺は昔から花歩が好き。