あ、勿論
きつい=きもい
と言う意味である。言葉で落ちるような、ロマンチストな女じゃないんでね。
と言っても、別にコイツに何の感情を覚えているわけでもないが。実際のところ、どうでもいい。
「あ、いらっしゃいユウくん。」
「こんばんはー。」
御手洗いに行っていた弥生さんが帰ってきて、綺麗に笑って男に声をかけた。
それに同じく笑顔を返す男は何だか上機嫌に鼻歌なんか歌ってる。
「…ねえ、」
「んー?」
「これ。」
「……弥生さん、カシスくださーい。」
男、ユウは一度私の呼びかけに反応しこちらを見たと思うけど。
私が差し出すものを見た瞬間、直ぐに視線を逸らし弥生さんに逃げた。
なんだ、なんなんだ。
そんなに受け取りたくないのかこの男。