野口くんが静かにストップをかけた。



「おい、海斗!何で止めんだよっ
いいところだったのに」





「いいわけないでしょ、純希。
お前、音ズレ気づいてなかったの?」




・・・やっぱり。


野口くんだけが、気づいてた。




「音ズレ?そんなんしてた?」


「バリバリしてたよバカ。
純希ドラムだろ?ちゃんとリズム刻んで」


「ハイ・・・」








野口くん、ナイスなアドバイスだ・・・

あのズレは、技術とかそんなんじゃないから。

ちゃんとリズムを「刻む」事が、1番大切だから。








「あと、空。
ドラムに惑わされずに、自分の音をちゃんと聞いて。

そうしたら、テンポがぐちゃぐちゃにならないから。」



「わかった。」