「主役がいなきゃ始まんないだろー‼」
「・・・わりいな、純希。海斗。」
周りを見ると、純希のドラムと海斗のベースと一緒に
オレのスタンドマイクとギターも出てあった。
「久々だな」
オレはギターをアンプに繋いで
肩にかけた。
ピックを握って、マイクを調整する。
「お、早速やりますか?」
純希がスティックを持って、ドラムの前に座った。
「随分、ヤル気だね」
海斗はふふっと笑って、ベースを持ち直す。
この、楽器のにおい。
気持ちが高ぶる。
「じゃぁ、いくぞ?準備いいかー?」
純希が声を張ってそう言う。