お兄ちゃんの話に、ただ耳を傾ける。


「雪緒は自分の病気を受け入れて、“今まで通りの日常”を望んでる。でもおばさんもおじさんも、雪緒の病気が発覚してから腫れ物扱いするんだとよ。もちろん、心配してくれてるって事は雪緒だってよくわかってるけど、それでもあいつは“いつも通りの毎日”を望んでるんだ」


お兄ちゃんの言っている事が、わからない訳じゃない。


だけど……。


あたしは、どうしてもおじさんとおばさんのように雪ちゃんの事が心配で堪らない。


だからきっと、あたしには彼の望むものを与えてあげる事は出来ないんだ……。