「だって……っ!わからないんだもんっ……!」


滲んだ視界の中のお兄ちゃんが、あたしの瞳を真っ直ぐ見つめている。


「雪ちゃんの病気の事……いっぱいいっぱい調べたのにっ……!何もわからないんだもんっ……!」


この二週間、図書館で借りた本やネットで、雪ちゃんから聞いた病気の事を寝る間を惜しんで調べた。


だけど──。


「どんなにっ、調べたって……難しい事ばっかりでっ……!あ、たしっ……何もわからなかっ……た……」


病気の事を詳しく知る事は疎か、難しい言葉の羅列のほとんどを理解出来なかったんだ……。