「本当に…ごめんなさい」


俯いて話す妃芽の背中をポンポンとリズム良く叩く。


…こんなに近くにいたなんて。


「なんで連絡しなかったんだ?」


「お母さんに誰にも言うなって…」


それでも…俺にくらい言ってもいいだろう?


妃芽にとって俺ってそんな存在?
俺は妃芽が誰よりも好きだったし、掛け替えのない存在だった。


黙って思案していたら妃芽が“でも”と言葉を続けたから、そのまま聞いていた。


「…浩太に迷惑かかるッ…から…何度も連絡しようとしたけど…でき…なかったッ」


妃芽はいよいよ嗚咽を漏らして泣き出してしまった。


あ〜やべぇ…


背中を撫でる手をぎゅうっと抱きしめる形に変えれば、いつぶりかの彼女の香り。