「それより、さっきの無駄にでてるエロフェロモンの人って誰?」


顔はあまり見えなかった―…じゃなくて、見なかっただけなんだけどね。

庵ちゃん以外の男をこの目に映すなんてことできないしね。


目が腐れちゃうから、フフっ。


「しっ知らないの?」


あたしは頭を横に傾けて記憶を辿るが……エロフェロモン野郎なんて男は知らない。


「んー。庵ちゃん以外興味ないもん」


「でしょうね。あんた庵命だからね」


そう…あたしの全ては庵ちゃんのためだけにあるよーなもんよ!


「そんなに褒めなくたって…」


「誰もあんたなんか褒めてないわよ。話し戻すよ?」


大丈夫。こんなことで落ち込んだりしない。だってあたしはひばりだもの…。


「たそがれてないで聞きなさい!」


「ほいさー」


「あの男は清水柚稀(シミズユキ)。彼女はいないけど女遊びが激しい。でもかなりのイケメンで庵に引けを取らないわ。まさに天性のモテ男」


庵ちゃんに…庵ちゃんに引けを取らないだとー!?


でも特定の彼女作らないのは似てるかも。


「師匠、とても勉強になりました!このご恩はラーメンでいつか必ず……」


「いやいやいや。今のどこに勉強になった部分あったわけ?それにラーメンはもういいわ」



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