きょうくんも応えるように手をあげたから
多分聞こえたんだろうけど


拓馬がわたしの腕を掴んだまま
どんどん歩くから、


あっという間に学校の
敷地の外まで連れ出された。



――腕を掴まれて速足で歩くから
わたしは気付かなかったけど、
昇降口を出るときに拓馬は振り返って
きょうくんをはっきり睨んだんだ。


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