「帰ろ、すず。」 沈黙を破って、唐突に拓馬が言った。 わたしの腕を引っ張って下駄箱の方に連れて行こうとする。 「え。ちょっと…だってきょうくんと。」 「…………。」 振り返って、不機嫌そうに眉をしかめる拓馬。 「きょうくんと帰るって約束、したもん。」 「すず、俺メールした。」 「だって…。」 言い返すと、更にむっつりした顔の拓馬。 怒ってる。 .