「結局は……俺も同じだった。アナタとは違う道を行こうとしているのに、気付けば俺はアナタと同じ道を歩いていた。何の罪もない人の心を弄んで、そして……沢山の人を不幸にした」 「……明」 そう彼は小さく震える声で俺の名前を呼ぶと、悲しそうに瞳を揺らした。 ……今なら、この人の気持ちが分かる気がする。 ずるくて、卑怯で、弱くて、自分勝手。 でもその中に残るほんの少しの優しさのせいで、決して自分自身を許せない……悲しい人。