「……す…き。私は……蓮が……好き」

そう言葉にした瞬間、胸が張り裂けそうになった。

……蓮。

それは私の記憶の中の、大好きだった少年。

そして……私からバイオリンを奪った人。

複雑な感情が入り混じり、それは私の心を酷くざわめかせる。

「……そっか」

震える私の答えに明はそう短く答え、小さく息を吐く。

「……明。私は……」

「小さな頃から好きって気持ち……それは今でも同じだと思う?」

私の言葉を遮った彼の言葉に、小さく口を開いたまま茫然と彼を見つめる。