……もう……言葉は紡げなかった。

この想いを一体どんな言葉で伝えられるのだろうか。

彼女を愛しいと思う気持ちを、いっそ消えてしまえばいい、壊してしまいたいとさえ思うこの憎しみにも似たこの想いを……どうすれば彼女に伝える事が出来るのだろうか。

そんな事を考えたまま、そっと彼女を引き寄せ……唇を重ねた。

唇が触れ合ったその瞬間、ノラが驚いた様に目を見開いたのが分かったが……俺を突き飛ばす事も、距離を取る事もしなかった。

全てを諦めるかの様に静かに瞳を閉じたノラを、強く抱き締めたまま唇を奪う。

まるで彼女の全てを欲する様に、自分のモノにするかの様に、ただ彼女だけを感じ続ける。