それから僕達は……度々会う様になった。
会えば一緒に遊んだり、他愛もない話をしたり。
お坊ちゃま育ちの明は、普通の子供が当たり前の様にしている事をかなり制限されているらしい。
僕に初めて会ったその時も、そんな堅苦しい生活に嫌気が差し、実は家出を遂行中だったと聞いた。
……あの後すぐに見つかって家に連れ戻されたらしいけど。
そんな事を考えながら隣に座ってコーラを飲んでいる明を見つめる。
添加物が良くないとかで、明は家でコーラを飲む事を規制されているらしい。
「……金があれば好きなモノが手に入るとか嘘だよな!?俺、自由にコーラも飲めないんだぜ?」
そう言って明は困ったように笑って肩を竦めて見せた。
……明は凄くいい子だと思う。
口が悪くて少しヒネクレているけど、優しくって思いやりのある少年だ。
これは後になって……もっと大人になってから知った事だけれど、僕にお礼をしようと家に連れていこうとしたその日、明は自分の家で僕を出迎える準備をしていたらしい。
美味しいお菓子や紅茶に、一緒に遊べるゲームやスポーツ道具。
彼なりに必死に考えて僕をもてなそうとしてくれていた事を……後から知った。