「誰って……明の知らない人だよ」

急に顔色を曇らせた俺を、ニンジンを握り締めたノラはキョトンと見つめる。

「……名前は?何してる人?」

その俺の間髪入れない問い掛けに、ノラは眉を顰めたまま首を傾げた。

「……知らない」

「……はぁ?」

ノラのその答えに思わず大きな声を漏らすと、ノラは不機嫌そうに更に眉を吊り上げた。