「い、いや、何て言うか……あ、そう!蚊!!蚊に刺されて……」

そんな通用しない嘘を吐いてアハアハと笑うと、ノラは疑う様な目で俺を見つめて困った様に笑った。

「別に隠す事ないのに。……好きなの?その人」

「好きじゃねェよ!!」

ノラの問いに思わず声を荒げて否定すると、ノラは少し驚いた様に目を見開いた。