「そんな最低な男だって……知ってて付き合ってたんだけどね」

彼女はそう言って少し自嘲気味に笑うと、俺に向かってまるで子供の様にベェっと舌を出して見せる。

「いつか女に刺されて、痛い目見ろ!!」

精一杯の捨て台詞を残して、そのまま彼女は部屋を出て行った。

「……ごめんな」

彼女には届かない小さな呟きは、この虚しい部屋に悲しく響く。