?「味は変わっていない。」
彼というよりかこの獣は不気味に笑った。
柚歌「離せ」
?「よくその立場で言えるなぁ?」
強がって言ったけど本当はすんごく怖かった。
けど立場ってなに?

柚歌「名前も知らない貴方に敬語を使う必要はない」

?「そそる。相変わらずその冷たい物言い―。ウズウズする」
背筋が寒さの所為もあってゾクッとした。

宙「俺は宙(ヒロ)だ。」

宙…。どこか昔の昔の薄い記憶の中にある

宙「wolf」

――。狼!?
啓二「ゆずかぁぁぁあ?」
遠くから啓二の声が聞こえてきた。それを聞いてか、宙は「ふんっ」と鼻で笑い、耳元で色っぽく囁いた
お前は俺たちの物だ、どこの誰にも渡さない。覚えておけ、けして人間種族の物ではないことを。



耳がアツイ。

宙の吐く息が背筋をなぞるようにじっくりと体に染み渡ってきた。