二人の送別会の時…


課員に前田課長が前田物産の社長になることを告げると…

びっくりしていた…

それはそうだろう…

俊哉が社長の息子、

その後任になった前田課長が、前田物産の社長の息子…

ついでに私が一之瀬の娘と続けば…

だれもが、びっくりするだろう…


でも、そのことを責めたり、けなしたりする人は誰もいなかった…

課員からの信頼の高さを物語っていた…

ゆえにその後任人事には手を手を焼いていたのだ…

会社の重要部署の課長というポスト…

だれでも、できる仕事ではない。

着任する課長に寄って大きく左右されることは間違いない…

社内では主任が課長になるのと支社から課長を移動させるのを二通りが検討していた。

あまり、悩むことなくてきぱきと決定していた俊哉でさえも
今回のことは悩んでいたようだ…


俊哉と前田課長とは前々から今後のことは考えられていたから…

結婚と同時に前田課長は実家を継ぐことを考えていたようだったが、

俊哉からの依頼で、主任が課長の器になるまでは見守るということだったようだ…

主任が課長の器になるまで… でも、それは間に合わなかった…

前田課長は俊哉に謝ったそうだが、
これは誰も予想することはできない…
誰も責めることはできないことだから…


課長職を務めるのは、課長経験があれば、たやすいこと…

ただし、この本社の企画開発部の課長となれば、話は別だ…
他の支社で企画開発の課長をしていた人間でさえ、難しいことだ。
扱っていおる内容がディープすぎるから…