肝心の子宮口の方はと言うと、昨夜から何時間かおきに内診してもらっているが、まだまだ時間がかかりそうだ。

小僧、もう少しお腹の中にいたいらしい。

しばらくすると助産師さんがやってきて、麻酔の効きを確認しますと言って小さな保冷剤を持ってきた。

まず腕に保冷剤を当てられて冷たさを確認。

当然、冷たい。

次に左胸の下、みぞおちの辺りに保冷剤を当てる。

ん?冷たくない。

物が触れている感覚はあるのだが、全く冷たさを感じないのだ。

これが麻酔が効いている証拠というわけだ。

へえ!

助産師さんが手にしているその保冷剤さえ、「冷たくて美味しそう」と思ってしまう私であった。

ところで水を飲んでなくても、膀胱に尿は溜まる。

点滴しているのだから当然だ。

だけど私は昨晩から数本の管に繋がれて歩くことが出来ない。

それより不思議なことに全く尿意を感じない。

ということはどうなるかと言うと、「導尿」となる。

助産師さんが一定時間に導尿してくれる。
これがまた何とも言えずやるせない。

くすぐったいやらもどかしいやら恥ずかしいやらで非常に苦痛なのだ。

自分が選んだ道とは言え、無痛分娩ってのもなかなか大変なんだな。

普通分娩で出産した人が聞いたら怒り出しそうな台詞だが、この喉の渇きと導尿の恥ずかしさに免じて許してほしい。