そして10月6日、39週。

予定日の1週間前。

先週もうちょっとと言われたから、今日はきっと入院日が決まるはずだ。

期待に胸を膨らませてワクワク しながら病院に行ったが先生の言葉は私の予想に反して「もう1週診た方がいい」とのことだった。

出産日を決めるには、子宮口の開きがまだ足りないらしい。

来週の健診で入院日を決めることになった。

勝手に今日が最後の健診になると思っていた私は少しがっかりして夫にしょんぼりしたメールを送った。

「まだだって」

すると夫は小僧の都合がいい時に出てくるから焦る必要は無いよと落ち着いた返信をしてきた。

落ち着いている。

初めての子なのに極めて冷静だ。

実は初めてじゃ無いのでは、とくだらない疑いを持ちそうな程夫は常に冷静だ。

それから夫は付け加えるように言った。

「まだなら、お誕生日パーティができるじゃん」

そう、10月9日は私の31回目の誕生日。

出産予定日と近いのでもしかしたらお祝いが出来ないかもと思い、先週少し早めに夫とふたりで外食をしたのだが、入院はもう少し先になった。

つまり誕生日当日、もう一度お祝いができる!

ゲンキンな私は元気を取り戻し、恒例のひとりランチを楽しんだ。

帰り道、お腹の張りや足のしびれを感じる度に休憩しながら歩いていると、いつの間にか季節が秋めいていることに気がついた。

暑くて重くてしんどいわー、と文句を言ってばかりだったが、そんな生活も本当にあと少し。

今年の夏の終わりは、私の初めてのマタニティライフの終わりでもあったのだ。