8月も半ばを過ぎ、仕事を続けていればそろそろ産休に入る週数を迎えた。

小僧の動きは「ボコボコ」から「ぐにゃんぐにゃん」に変わり、肋骨辺りをドンッと蹴られる日も多い。

体型もどこからどう見ても妊婦とわかる「ダルマ」型になった。

こうなると歩き方に貫禄が出てくる。

大きなお腹を支えようと腰が反り気味になり、ガニ股でどっしりと歩くようになるので、どうしても威張っている風に見えてしまう。

決して偉ぶっている訳では無い。

当然、負担は腰にのしかかってくる。

初めは腰全体にずどーんとした鈍痛を感じていたのだがその痛みは次第にピキーンと稲妻が走るような激痛に変わった。

ひどい時は歩く度にその激痛が走り、ぎっくり腰にでもなるんじゃないかとヒヤヒヤした。

歩くスピードは遅くなり、自宅から最寄りの駅まで通常なら10分のところ20分近くかかるようになってしまった。

もうひとつのトラブルが、胃もたれである。

どうも最近、胸やけのような不快感を感じるなあと思っていたら、どうやらそれもマイナートラブルの一種らしい。

どんどん大きくなっている子宮が胃を圧迫して消化不良を起こしているせいで胸やけや胃もたれを起こすそうだ。

何とまあ、理にかなったトラブルだろう。

お腹は空くのに食べると気持ちが悪くなる。

処方してもらった胃薬を飲みながらつわりの頃を思い出した。

「今思えばさ、つわりが終わって安定期に入った5~6ヶ月頃はまだお腹もそこまで大きくなくて1番快適だっだよね~」そう振り返る私に夫はあっさりと言った。

「そうでもないよ」

あれ?

夫は続ける。

「便秘で辛い、足がつる、今日は小僧がおとなしい(胎動をあまり感じない)、ビール飲みたい、それはそれはもう大騒ぎしてたよ」

そう言って夫は笑った。

私も笑ってみた。

結局、いつの時も私はうるさくて困った嫁らしい。