私はインターネットでマタニティマークについて検索してみた。

予想通り、賛成意見と反対意見の抗争が勃発していた。

特に目に止まったのは、反対意見の方だ。

「それで?って感じ」

「妊娠を自慢しているみたいで不愉快だ」

「不妊治療をしている友人は、あのマークを見かけるだけで泣きたくなるそうです」

一見心無い言葉に聞こえるが、どれもこれも言ってることはわかる。

特に三つ目の意見に関しては確かに私も妊活中、マークを付けた人を見かけると少し切なくなったりもした。

それに昔、駅で大きなお腹の妊婦さんがカバンやら洋服やらにマタニティマークを2、3個ぶら下げているのを見て正直少し引いたこともある。

「そこまでするか」って感じである。

だけど実際電車の中で、妊婦なのかちょっと太めなだけなのか微妙にわからない人が目の前に立っていた時にマークを付けていれば自信を持って席を譲れる利点はあるのだ。

悩んだ末に私の出した結論は、妊娠していることがわかりにくい初期から中期にかけての間だけ、カバンの取っ手に付けることにした。

お腹が大きくなってきたらマークなんて付けなくてもわかるだろう。

世の中には色々な考えを持った人がいる。マタニティマークについての意見だって多種多様だ。

単に目印として気にかけてくれる人もいれば、目障りだと思う人もいる。

だけど妊娠は病気でこそ無いけれど、お腹の中で小さな赤ちゃんを育てているのとを考えれば普通の体とは言えない。

つわりで気分が悪いかもしれないし、腰が痛かったりお腹が張ったりしているかもしれない。

座るだけでもだいぶ楽になったりすることもある。

マークを付けた人を見かけたら、その辺りをほんの少しだけでもいいから気にかけてほしいと思う。

もちろん、付ける側の心持ちも大切だ。

自分はマタニティだから席を譲ってもらうのは当たり前だなんて考えは持つべきでは無いと思う。

席を譲ってもらえたのは、あくまで譲ってくれた人の善意あってこそなのだ。声を掛けてもらえたら、当然感謝の意を述べるべきだ。

大きなお腹を抱えている女性が目の前に立っていても知らんぷりして座ったままの人を見かけると、少し悲しい。

だけど携帯電話ほどの大きさのマタニティマークをぶら下げて、電車の中ではマークをアピールして席を譲ってもらうんだと話す妊婦さんに会うと、これもまた少し悲しい。

本当はマークなんて無くても妊婦さんに声を掛けてあげる心とそれに感謝する心があればいいんだけど。

と、偉そうにちょっと語ってみる。