「彼氏いるのに好きな男できて、しかもその人が教師なんて。
アタシも、最低だと思ってる。
でも……どうしようもないの。気付くと、彼氏よりセンセイのことを考えてた。
叶うはずないんだけどね。
馬鹿みたいだよね。
もう、サイテーだよね…」
「違う…!」
「なんで?明日華の考えは正しいよ?」
真帆は、自分を自嘲していた。
ダメだ……何でって言われても、あんなこと言えるわけないし。
「…ごめんね。明日華。アタシ、帰るね」
「うん……また明日」
今は、一人にしたほうがいい。
ちがう。あたしが一人になりたいんだ…。
真帆は、小さな背中を
必死で支えるように
足を前へと進めていった。
雨は、どしゃ降りになっていた。