「お前には、飽きた。じゃ。」

・・・・・・あたしは、
何回捨てられたんだろ?

分からないぐらい、捨てられた。
数えられないぐらい、捨てられた。

でも、あたしは捨てたこと無いよ。

なのに・・・・・・

「ねぇコウ、あたしの何処が飽きた...?」

「飽きたってか、お前さ...他の男とも付き合ってんだろ?」

...はい?コウ?
誰が、そんなこと言ったの。

「そっかぁ、ありがと。」

誰か、知らないけど
そんなこと訊く気もなかった。

むしろ、もう皆あたしの事を
嫌ってくれればいい。

そうとしか思えなかった。

そんな甘い考えの、
あたしがバカだった。

『イオちゃんって、
浮気してたんでしょ?』

『コウが、可哀想。』

『うん。イオちゃん、死ね。』

......コウ、モテるもんなぁ。

それに、比べてあたしは......。

何にも、ない。
ただの女だ。

だから、捨てられるんだ。

たった今、一瞬で...
心の扉が閉じた。

もう、男を好きにならない。

もう、人間を信じない。