麻古はそう漏らして、『キスミークイック』を飲んだ。



普通の男か…


「ふたりは別れたのか?」


「私が別れさせた…」



「お前…強い女だなぁー」


「私…強くなんて…」



「!!?」



俺の目の前で、急に麻古は俯き、涙を零した。



「おい!?泣くな…」

俺の何気なく口にした言葉に敏感に反応して麻古が泣き出した。



BARには長居もできず、カクテル1杯で出てしまった。


「ゴメンなさい…急に泣いちゃって…修羅場に完全に澪生はうろたえちゃって…マジで頼りなくて…私が何とかしないと思って…」



「そうか…」