隣で黙って俺と兄貴の会話を訊いていた麻古。




「あれで良かったんですか?社長」


麻古に余計な心配をかけさせてしまった。



「ああ~いいんだ…」


兄貴と親父との亀裂はもはや修復はできない。
今更、修復する気もない。



俺は美古と言う新しい家族を持ち、前向きに生きていく選択肢を選んでいたから。



パーティも顔見知りとの挨拶と軽い談笑で終わった。



俺は少し飲みたい気分になり、麻古を飲みに誘った。



「悪い…こんな時間まで付き合わせて…」



「いいわよ~私も何だか飲みたい気分だったから…」



「そうか…」


ホテルの最上階に夜景のキレイに見えるシックなBARで二人、カウンターの椅子に並んで座り、思い思いにカクテルをオーダー。