「親父はお前が叔母さんの養子になって、清々していた…」



「!?」



「何かとお前は親父と衝突をしていたからな…」



兄貴は過去の出来事を思い出すかのように、語った。


「それは親父が俺を意のままに動かそうとしたからだ…」


「別にそれでも、俺はいいと思ったが…」


「俺はいいと思わなかった…」


「ふーん」



兄貴は冷徹な微笑みを湛えた。



「まぁ~お前もそれなりに成功してるみたいだし…互いに勝ち組だからな…別に言うコトないけど…じゃあな」


兄弟の再会はほんの数分で終わってしまった。早々と立ち去る兄貴を呼び止めて、交わす話などなかった。


実にあっさりとした唯の顔見知りのような感じだった。