「透…真?」


「!!?」


こんな場所で、兄貴と会うなんて、想定外の出来事。


「どなたですか?」

「俺の兄貴だ…」


「初めまして、樋口壱真(ヒグチカズマ)です」


「秘書の小田切麻古です」


「秘書?随分とキレイな方だ。さすがは化粧品メーカーだけのコトはある。化粧も完璧だ」


兄貴は俺よりも2歳年上。眼鏡を掛け、知的なイメージの持ち主。


「俺もお前とこんな場所で会うなんて、意外だ…」