パーティ会場は既に、たくさんの人だった。


「トーマ!!」


薬品会社(株)ソーマの常務で俺の大学の先輩・相馬耶刃(ソウマヤトウ)が俺に向かって手を振った。


俺は相馬常務の元に。


「あれ?栗原は??」
栗原は以前、ソーマの社長秘書していたらしく、ふたりは顔見知り。


「あ・・・栗原はお子さんが入院して、付き添ってると言うか」


「…俺の記憶が正しければ…その隣に居る美女は…元カノの麻古さんだよな」


「え、あ…今は俺の臨時の秘書と言うか…」


「秘書?元カノと一緒に仕事してんのか?」


「プライベートの話よりも…ビジネスの話してくれないか?」


「…社長。相馬常務と同じビールでいいですか?」


「あ、頼む」