ドレスとアクセサリーの入った紙袋を持って、麻古は御手洗に消えた。



俺はひと目のつかないエレベーターホールで待つ。



ホールには観葉植物が置かれ、気の利いた場所にベンチも置かれていた。


俺はベンチに腰を下ろす。口許が寂しくて,煙草を吸いたい所だけど、ホテル内は禁煙。


煙草を吸いたければ、喫煙室まで行かなくてはいけない。


そんな時間の余裕はなく、煙草は諦めて、プライベートのケータイを取り出し、美古にメール打ち。



「お待たせ…」


早速、購入したドレスに身を包んだ麻古が現れた。


ドレスに合わせて、メイクも派手になっていた。やはり、麻古は抜かりのない女。