麻古の選んだドレスは露出の少ない淡い紫色のパーティドレス。



「靴はそのままにして…」


麻古はアクセサリーを選び始める。


「これ何てどう?」


「いいんじゃないか…」


麻古は美古とは違い、ファッションも年相応のモノを着こなす。その上、センスもいい。

俺と似たような感覚で、反対意見など出ない。



俺が選んだ服やアクセサリーを身に付けるコトを拒む美古。少しは麻古を見習って欲しいもんだ。



顔は似てるのに、性格もセンスも全く違う。個性的な姉妹。


俺にも兄貴がいた。個性的なのは麻古・美古姉妹と同じ。
兄貴は父親と同じ外交官となり、若手としては異例の出世街道を歩いている。


俺は二人とは全く違う道を選び、叔母と養子縁組をして、樋口家の名を捨てた。