「失礼します…」



ドアを開けるとガッコの美術室のような匂いが鼻をつく。



壁に大きなキャンバスを立てかけて、ダイナミックに澪生君は絵を塗っていた。



「コーヒー…どこに置いたらいい?」



「んっ?あ…そこの小さな丸テーブルに置いてといて」


「うん」



澪生さんの指示で、私は丸テーブルにコーヒーを置いた。



「澪生さん、顔に絵の具、付いてる…」



「あ、そうか…気づかなかった…」


澪生さんは苦笑いを浮かべて、私の淹れたコーヒーで休息。