いつしか、

純一は

有喜との子供が欲しいと

真剣に

思うようになっていった。

作るなら

早めにしなければ、

有喜の病気が

ますます

悪化すると

子育てが出来なくなる。

有喜の記憶が

少しでも

確かなうちに、

二人の

子供を作りたい、

そう思った。

純一は

有喜に

今の自分の気持ちを

ありのままに伝えた。

有喜は

話を聞き

「私も欲しいー。」

軽々しく

そう答えた。

純一は

真剣な顔で言ったが、

有喜には

おままごと感覚でしか

頭に入ってこなかった。

「やっぱ

 そうだよな…。」

純一は

想像していたが、

実際

そう反応されると

正直凹んだ。