「私は最後まで

 重荷だった…。

 こんな私は

 いなくなって正解だよ…。

 神様

 来てくれるかなぁ…。」

有喜は最後の涙を流し、

目を瞑った。

布団は有喜の病気を

あざ笑うかのように

徐々に真っ赤に染まっていった。

有喜の頭の中には

2人の想い出が走馬燈として

甦っていた。
 
「純一…。

 本気で好きだったよ。

 昔は楽しかったのにな…。」

有喜は想い出にふけりながら

ゆっくり現実と別れをし、

寝むっていった。
 
その頃、

純一は仕事場にいたが、

何とかトラブルも解決し

一段落着いていたとこだった。
 
「さすが先輩ですね。

 ほんと頼りになります。

 ありがとうございました。」
 
「お前、

 次同じような事したら

 知らないからな!

 毎回こう上手くいく訳じゃないんだから。

 でも、予定より早く切れ上げる事

 出来て良かった。

 俺、人待たせてるから帰るわ!

 じゃぁ。後はよろしく。」

そう言って純一は

足早に職場を後にした。
 
朝方の道は

車の通りも少なく、

道路は貸し切り状態だった。

こんなにスムーズに走れると

気持ちいいなー。

早く行ってやらなきゃいけないし、

ちょうどいいかぁ。

純一はCDの曲を口ずさみながら

軽快に走っていった。

途中のコンビニで純一は、

お詫びを兼ねて

ケーキを2個買って行った。