次の日、

昨日の事が気になっていた母をよそに、

有喜は

「おはよう。」

と笑顔で起きてきた。
 
母はホッと心を撫で下ろすが、

「私、

 昨日ここに泊まったのかな?

 起きたら昔のベットで

 寝てたんだよね。」

母は言葉を失った。

昨日の記憶ないんだ…。

そう心の中で呟き、

母は優しく

「今日から有喜は

 私と一緒に住む事になったんだよ。

 昨日は疲れてて

 すぐ寝ちゃったから、

 忘れたのかな?

 昔のようにまた、

 お母さんに甘えてね。」

そう言い、

有喜を力一杯抱きしめた。

母の目にはうっすら涙が

浮かんでいる。
 
「お母さん痛いよー。」

少し照れながら有喜は言う。