有喜は相変わらず、

仕事に追われ

ストレスも絶頂となり

今にも爆発しそうであった。
 
純一は順調に仕事をこなしていき、

係長という座を任命された。

そして、

2人はますます会う時間がなくなり、

2人の間には

どんどん深い溝が出来ていった。

有喜は、

1日1回あるかないかのメールに

耐えられなくなっていった。

純一が離れていく

そんな気がして、

寂しさが耐えられなかった。

何で私だけ

こんなに寂しい思いをしないといけないの?

と、何度も、

携帯の受診メールを読み直しながら、

一人悲しみに溺れていた。

寂しくて、

不安で、

仕事も手に付かなくなっており、

仕事場に行っても

ボーっとする毎日…。

有喜部長、最近変よね…。

そんな噂が

自然と社内を駆け巡っていた。

今までの

気力と迫力のある有喜

と言うよりは、

おっとりとした、お茶汲み社員のような感じで、

部下に任せっぱなしの仕事であった。
 
直美が有喜に近付き、

「有喜部長!

 最近仕事やる気ないですね。

 なんか悩みでもあるんですか?

 私相談に乗りますよ。

 今までいっぱいお世話になったんだから。

 私と有喜部長の仲じゃないですか!

 こんなに怒られなかったら

 私不安になるじゃないですか。

 あっ、

 もしかして私達を見捨てたんですか~?

 ひっどーい。」

何を言っても、

あまり反応がない。

頭の切れる有喜はどこかへ行ってしまった。

「ちょっと今は一人にしといて。」

と、言葉1つにも気迫が感じられない。

ほんとどうしちゃったんだろう…。

直美は不安でしょうがなかった。

毎日怒られていたとはいえ、

自分の憧れの人。

何故だろうか…

直美は何となく嫌な予感がした。