「おい、大丈夫かよ」
 こける寸前で会長に支えられた。
「うん……ありがとう…」
 お礼を言って顔をあげた。
 !?
 会長の衣装って和服!?
 カ、カッコイイ…。
 フツーにカッコイイ……。
「本当に大丈夫か?」
 やばっいろいろ考えててフリーズしてた!!
「だ、大丈夫っありがとっっ!」
 ばっと会長から離れると、次は会長がフリーズしてしまった。
「会長こそ大丈夫?」
「ちょっと来い」
「えっなんでっ……」
 会長は私の腕を引っぱって誰も通らない狭い廊下で足を止めた。
「…なんだその服は?」
「え? あ、この服は“猫耳メイド”らしいです…」
 私の衣装は、ミニ丈のメイド服でしっぽと耳がついている。
「はぁ…」
 なぬっ!ため息ですと!?
 …ふんっ分かってるもんッ!
 どーせ私には似合ってませんよーだッ。
 ぷくっと頬を膨らませて心の中で反論した。

《海斗Side》

 はぁ…なんでこうも鈍感なんだよ…。
 俺の目の前にいる美奈はミニ丈メイド服の格好をしている。
 メイド服はいいとして(いや、全然よくない。)問題はこのメイド服、胸のあたりが開きすぎなんだよ。
 意外にでかいからな、美奈は…。
 でもこんな服、美奈が好んで着るわけがない。