「ごめんね。」

あたしの輪郭は、半べそで壊れかけた表情になった。

「嘘?」


「ごめんね。
うん、でも、その話しは、ホントのこと。

昨日新港にあがったってやつは……。
自殺みたい。


けど、恐い話しをしようと思ったんじゃないんだ。」

オドケていた善の声が背筋を正した。


「オレね、そういうの聞くと、

人は死んだらどうなんだろう?とか、考えたりするんだ。

もし…オレが死んだら、オレの心は何処へ行っちゃうんだろう?とか、思う。理央さん、考えたことある?」

「えー?どういう意味?
あたし、その感覚って未知。」


「ん、例えばさ、オレが死んだら、悲しんでくれる人はどのくらいいるんだろうとか、漠然考えたりするさ?

その延長なんだけど、


死んでしまっても、魂だけは生き続けるとか言うよねぇ?それってどこにいくのかな?って思って答えは出てこないんだけどさ…。」



あたしは、それに『コクリ』して、黙って聞き入った。