「会えますか?」

「意識はないけど・・・会ってあげていいよ。」

俺は静かに薄暗い病室に入って行った。

看護師が点滴の用意をしてる。

「静かに・・・音で発作を起こすことがありますから…。」


姫は大きな寝息を立てて眠っている。
温かい手を握って祈った。


目を覚ましてくれ・・・・・。
俺はもうどこにもいかないから・・・・。


愛してる
おまえは俺の命だから・・・・。


大きく盛り上がったお腹を撫ぜる。

元気でとうさんに会いに来いよ。
絶対負けるな。



涙がポロポロと流れ落ちた。



姫の手術が始まった。



重苦しい家族待機室
また数人 友達が入ってきて美里と抱き合って泣いていた。

「宗方・・・・・来たんだね。」

「うん。神様がちゃんと頑張ってる姫のために
贈り物をくれたんだよ。」


「姫 喜ぶよ。姫の顔見るの楽しみだね・・・・。」

声が沈む・・・・・。

どうか どうか 姫を・・・・子供を助けて下さい。