地獄にはすぐに堕ちた。


ルナが死んだ。
ルナがいてくれたら…姫とどこかで
繋がっているような気がしていたのに

そんな俺をあざ笑うかのように

小さな愛おしい命は俺の腕の中で
虹の国へ渡って行った。


愛する女に出会えたのもルナとルナタがいたから。


ルナ…ルナ…


どんどん固くなる小さなルナを抱いて
姫の家の前に立った。

「姫…ルナが…ルナが…
神様はルナまで俺から奪っていっちゃったよ。」


姫と別れて どんどん女々しくなる自分
弱くて情けなくて腹が立つ

姫と出会ったあの日の記憶さえ
消されるような恐怖感に子供のように怯える俺


「会いたいよ姫・・・・。
おまえがいないと俺は…ダメなんだ。」


会いたくて何度も家のまえで
部屋の電気が消えるまで


女々しい男は自分の決断を呪いながら
愛する女の少しでも近くにいたい


そう思った。