姫には本当のこと言えなかった。
自分の親がどんなに卑怯な手を使って 思い通りに
やってきたか 恥ずかしくて言えない。

家族のことが大好きな姫に
恥ずかしくて言えない。

姉貴からは 姫の話をちょっとだけ聞いていた。
頑張ってる事 拓実を救ってくれたこと

だけど
「あんたの姫ちゃんへの想いが募るようにもう教えないわ。」
と姉貴が言った。

教えてくれとは言えない


会いたくて抱きたくて狂いそうな毎日だった。
姫の優しさ

俺を縛りつけないこと

待ってるって言わないから

そう言ってくれた。
離れていても心がこんなに寄り添えるのは
俺と姫の間にある一途な愛のおかげ。


しかし…自分に正直ばかりにはなってられない。


婚約者葉月の存在

婚約なんて簡単に解消できると思ってたけど…
葉月が自分に依存している今
無碍にはできるわけもなく


姫しか愛せないのに・・・・
答えは出てるのに

俺は間違った道を歩くしかなかった・・・・・。