「おまえの彼女の父親 リストラかかってるらしいな。
今日 俺に何度も何度も頭こすりつけて
話を聞いてくれって言うんだよ。
こんな時代だ。あの年なら再就職も難しいだろ。
家のローンや娘の将来にも金がかかるし…
リストラなんかされたら 家族も苦しむだろうな。」

遠まわしにイヤないい方をする奴。

「じゃあ 契約してやってよ。」

「そんな簡単に契約できないぞ。大した
飛びつくほどの仕事じゃないしな。
あくまでもボランティアだ。あの仕事受けるなら。」

「何が言いたい?」

「おまえ アメリカに勉強に行かないか?
留学するって言うなら考えてやってもいいぞ。」

「相変わらずきったねー話だな。」

「彼女の家庭を助けるんだ。ボランティアだ。
だいぶ他にも借金もあるらしいぞ。
必死だったからな。」


姫の家族
何度も会ったことはないけどあったかいいい家庭。

姫は変な名前をつけた父親を恨みながらも
いつも両親の話をしてた。

パパは天然だからね・・・
おまえもかなりの天然だけどね。

笑った顔 おとうさんにソックリだよ。

家族が大好きな姫


姫の笑顔が曇ることだけは絶対にしたくなかった。